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HANABIームシムシ大冒険ー

番外編

 ハナビの友達でビーゴンの妹のビーコのお話。 ビーコもビースケ同様、人を良い気持ちに
させるのが上手い。しかしビーコの場合は、相手をおだてたりはしない。愛らしいビーコの笑
顔が、昆虫たちの心を晴れやかにする。 今日もハナビの縄張りでは、みんなで樹液を吸って
いた。食いしん坊のビーコは、自分の分は吸い終わったにも関わらず、まだもう少し吸いたい
と思った。なのでハナビにおねだりすることにした。「ねえー私まだ欲しい!」ハナビは困惑
しながらも毅然としている。「ダメだ。一人こんくらいって決まっているから。」しかしビー
コは一歩も譲らない。今度は、何とも眩しい、太陽な笑顔でハナビにお願いした。「あともう
少しだけ!」「うっ...。」ビーコの笑顔に弱い情けないハナビは、押しに屈し、ビーコに樹
液をあげた。それをみた他のカブトムシたちからブーイングが起こる。「あーハナビのやつ、
樹液をあげてビーコに好かれようとしてやがる!おい、不公平だぞ!俺たちにももっと分けろ
!」収集つかなくなってしまったので、ハナビは仕方なく、みんなにもたくさんあげる事にし
た。「はいはい、わかったよ!みんなにもあげるから!...はぁ...。」ビーコ余分な樹液をあ
げた事を後悔するハナビだったが、実際にビーコの笑顔を見せられたらまたあげてしまう、と
思った。もはやビーコの虜になっていたのだ。 さすがはビーゴンの妹だ。生きていくスキル
がしっかり備わっている。
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